帰宅部の集合場所は海。二世サーファーの芽が息吹く伊勢の次世代シーン。
Photo: Yoshitugu Imura
以前、「訃報・Mr.志摩マスターズ、森本健二さん」という記事を寄稿してくれた三重・伊勢で暮らすフォトグラファー、井村義次さんからメッセージが届いた。井村さんが記者として活動するウェブマガジン『OTONAMIE』に、新たにサーフィンを題材にした記事を掲載したという。
「志摩の学生二世サーファーで最近多いのが帰宅部でして、その理由はもちろん波乗りするからです。 西世古(文彦)プロの長男とかも混じってきます。三重の二世サーファーはローカル達の宝になってますね」
「まるで部活です。いい写真です」
–井村義次さん
記事の軸となっているのは、中学2年生の女性プロサーファー、川瀬心那(ここな)の家族とその生き方。そして、川瀬ファミリーが暮らす伊勢に、次世代サーファーのうねりが届いているという話に派生していく。
そのなかに、心那が通う志摩市立東海中学の教頭、向井先生の言葉が出てくる。この地区の中学は10年ほど前から必須クラブの制度がなくなり、生徒と家の人、そして学校との連携がふさわしく取れていれば、生徒の応援をしているそうだ。全校生徒191名のうち、3人だけ部活しない生徒が。その帰宅部3人のすべてがサーファーだという。
井村さんは、心那のプロサーファー活動は、こうした理解ある人々や地域が支えていて、さらに先輩たちの影響も大きいという。
一方、向井教頭は、こんな話もしている。
「全体としてサーファーの子ども達は、学校の提出物や決まりに対して真面目です。それは自分の行動で、サーファーの評価を下げないように頑張っているようにも見えます。昔と変わりましたよね。こんにちではサーファーが海のゴミを拾い、海岸をきれいにしている」
『OTONAMIE』の記事には、心那のお父さんの文也(ふみや)氏の「生活がどれほど苦しくても、私には些細なことです」という話や、心那の兄弟たちのライディング写真も満載。ぜひ覗いてみてください。