【三重】中学2年女子プロサーファー川瀬心那と、伊勢のユースカルチャー。

帰宅部の集合場所は海。二世サーファーの芽が息吹く伊勢の次世代シーン。

伊勢の次世代サーファーたち
放課後の海での集合写真。伊勢サーフシーンの未来を担う次世代サーファーたち。

Photo: Yoshitugu Imura

 

以前、「訃報・Mr.志摩マスターズ、森本健二さん」という記事を寄稿してくれた三重・伊勢で暮らすフォトグラファー、井村義次さんからメッセージが届いた。井村さんが記者として活動するウェブマガジン『OTONAMIE』に、新たにサーフィンを題材にした記事を掲載したという。

「志摩の学生二世サーファーで最近多いのが帰宅部でして、その理由はもちろん波乗りするからです。 西世古(文彦)プロの長男とかも混じってきます。三重の二世サーファーはローカル達の宝になってますね」

「まるで部活です。いい写真です」

–井村義次さん

西世古文彦の息子、アツヤ君のライディング写真
プロサーファー西世古文彦のご子息、中学1年の篤哉(あつや)。ダイナミックなアプローチは父親譲り。
R2サーフのオーナーの息子、神田リク君のライディング写真
R2サーフのオーナー神田昌典氏の次男、莉玖(りく)。レールをしっかり入れながら次のアクションに狙いを定める。

 

記事の軸となっているのは、中学2年生の女性プロサーファー、川瀬心那(ここな)の家族とその生き方。そして、川瀬ファミリーが暮らす伊勢に、次世代サーファーのうねりが届いているという話に派生していく。

川瀬心那のライディング写真
史上最年少・13歳(中学1年)でプロ資格を得た川瀬心那。2018年度のチームジャパン強化指定選手にも選ばれている伊勢の期待の星。
川瀬心那の顔写真
はにかむ笑顔はいかにも可愛らしい中学2年生。まずは国内で成績を残し、2020年の東京オリンピック日本代表に選ばれるようトレーニングに励む日々を送る。
最年少女子プロサーファー、川瀬心那の写真
授業を終えて校舎から出てきたところをパチリ。このあとヘルメットをかぶり、自転車に乗って海へと急いだ。
川瀬心那とその家族の写真。アディクトサーフショップにて
左から父・川瀬文也(ふみや)、長男・斗嵐(とらん)、次女・心那(ここな)、長女・新波(にーな)、三女・煌渚(きらな)、母・幸美(よしみ)。[敬称略]

そのなかに、心那が通う志摩市立東海中学の教頭、向井先生の言葉が出てくる。この地区の中学は10年ほど前から必須クラブの制度がなくなり、生徒と家の人、そして学校との連携がふさわしく取れていれば、生徒の応援をしているそうだ。全校生徒191名のうち、3人だけ部活しない生徒が。その帰宅部3人のすべてがサーファーだという。

井村さんは、心那のプロサーファー活動は、こうした理解ある人々や地域が支えていて、さらに先輩たちの影響も大きいという。

一方、向井教頭は、こんな話もしている。

「全体としてサーファーの子ども達は、学校の提出物や決まりに対して真面目です。それは自分の行動で、サーファーの評価を下げないように頑張っているようにも見えます。昔と変わりましたよね。こんにちではサーファーが海のゴミを拾い、海岸をきれいにしている」

『OTONAMIE』の記事には、心那のお父さんの文也(ふみや)氏の「生活がどれほど苦しくても、私には些細なことです」という話や、心那の兄弟たちのライディング写真も満載。ぜひ覗いてみてください。

“TOKYOを目指す中学2年プロサーファー”放課後の海 @ 国府の浜