単独サーフは上達速度が遅い!?
JJFの5つのティップスに学ぶこと。
Text: Junji Uchida
昨日届いてたWSLのニュースレターに2年連続の世界チャンピオン、JJFことジョンジョン・フローレンスのトピックを発見。タイトルを翻訳すれば、「ジョンジョン・フローレンスが教える、ビッグウェイブに立ち向かうためのシンプルな5つのこと」といったところ。
内容自体は、JJFが昨年ハーレーとコラボした小冊子『A Field Guide to Waterman Things』(ウォーターマン野外観察図鑑)からの抜粋されたもの。ちなみにこのプロジェクト、収益はすべてコクア基金とサンセット小学校に寄付されるとか。
で、JJFが挙げた5つが:
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しばらくの間、観察する。
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行く場所のことを知ろう。
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助長してくれる環境を作ろう。
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結果を振り返ろう。
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立ち去ることを恐れるな。
具体的には:
“ビーチからの波チェックは普段よりじっくり眺めよう。ブレイクのパターンを探す際は、疑いの目を持つことが大事。頭で想像するのとリアルとでは、ハードさが倍くらい違うからね”
②行くべき場所を知ろう:
“ラインナップゾーンまでパドルしていき、セットをいくつかやり過ごしてみる。個々がそれぞれどういう波か、注意深く観察するんだ”
“自分を引き上げてくれる友達がいる、そんな環境を作る。自発性モチベーションだけだと、自分を過大評価することになるから”
④結果を振り返ろう:
“最初のセッションをビデオで撮影。それを見ながら修正点を把握し、もういちどやってみること”
⑤立ち去ることを恐れるな:
“もし感触が良くなかったらね”
ベテランのサーファーには、いずれも聞き覚えのあるフレーズ。が、ここは8歳にしてパイプラインをライドし、16歳で“それなりのサイズ”のワイメアをドロップ。24歳でエディ・メモリアルを勝した時代の寵児の言葉から、改めて学ぶべし。
さて、『サーフクラブ』的には④の結果を振り返ろうがいちばんのキモといいたい。
実はぼく、過去何年にもわたって(何十年かもw)サーフィンのハウツー記事を作ってきてます。で、監修してくれたプロサーファーたちが何度も挙げていたヒントこそが、「サーフィン仲間と交代でビデオを撮影し合う」こと。
5〜6年前にハワイで『サーフライン』の編集チームとJJFの1日を追う企画の取材したとき、確かにJJFは午後に結構な時間を割いて、午前中に撮影してもらったクリップを分析してました。
でも、ビデオを撮り合うことの利点はビッグウェイブに限らない。
撮ってもらったビデオを見て、そのあまりに残念な現実にがっくりきた経験、ありますよね? ボトムターンしてるつもりだったのに、全然ボトムまで降りてなかったり。あるいは猫背だったり、下半身が突っ立ってたり……課題を知らずして改善策の立てよう無し。
体重管理ができてて週末ごとに海へ行けてれば、それなりのライドは可能。いまは技術を補完してくれるボードも多いし。けれど、サーフィンも仕事も進化していくプロセスは同じ。修正点を把握したうえでリトライをし、再び見直しては昇華させていくスパイラルこそが、理想のスタイルへと近づけ、上達速度もグンと上げるのは確か。
ただ、ビデオを撮影し合うのは意外に難しい。なぜか? サーファー同士だと撮影者側が待っていられず、海に入っちゃうから(笑)。これホント、何十年も変わっていないサーフィン“あるある”。ご両親が陸から撮ってくれてるグロメッツ、ガールフレンドが撮ってくれてる彼氏。あなたたちは幸せものです。
サーフショップにはビデオ撮影を採り入れたコーチングスクールも結構あるので、近々リサーチしてみてその価値を検証するので乞うご期待。
あとは、③の助長してくれる環境を作ろうも金言。JJFがいうように、自分への評価が甘いのが人間というもの。人からの客観的な指摘は貴重なギフト。まずは“ごっこ”でいいから、友達とコーチングごっこをし合ってみるのも良策。
ただし、The Dayの日は避けたほうが無難かも。やっと1本波に乗れ、気持ちよさに浸っているところに「もう少しボトムに降りれたよ」と言われたらイラッときそう。
JJFの5つのヒント。①②⑤も目からウロコですが、③④の仲間と高め合うサーフィンを採用すれば、効率的に上達できますよ。