サーフタウン伊良湖に42カ国・197人の選手が集結!
いよいよはじまりましたね、ISA世界サーフィン選手権(以下WSG)。今回の伊良湖イベントは世界42カ国・197人の選手が参加。チームがひとつになって金メダルを競う、まさに2020年の東京オリンピックの前哨戦といったところ。WSGについては以前にまとめ記事を書いたので、興味がある方はチェックしてみてください。
会場のロングビーチは、ここ数日、結構ソリッドな波が来ていた様子。
■ブラジルチーム、6人中5人が不参戦。
さて、ISAのウェブサイトに掲載されてる各国選手をリスト化したのでご覧ください。
9月13日の時点では202人が出場する予定だったはず。が、開幕セレモニーが行われる15日になると、197人と5人も減少。チェックしたところ、はじめは6人クレジットされてたブラジル選手団が、イアン・ゴーベイア1人のみに。原因を追いかけてみると、どうやらブラジルサーフィン連盟の手配していた航空券がアメリカ経由のもので、米国ビザを持たない選手数人分のビザ発給が間に合わず、ナショナルチームとして断念した模様。出場選手のインスタには落胆の投稿が上げられ、フィリッペ・トレドやジャクリーヌ・シルバも連盟への非難をアップ。トヨタのお膝元の田原市には多くのブラジリアンが在住してるし、WSGを楽しみにしてた人も多そう。こんな背景があるだけに、イアン・ゴーベイアには参加できない選手たちのぶんまで頑張って欲しいものです。
■男女均等の3枠ずつ。初参加は3カ国。
表を見ておわかりのように、今回のイベントは男子・女子とも均等に3枠までがエントリー可能。これは過去のWSGにはなかった新しい取り組み。WSLも来季から賞金を男女同額にすると発表しているし、この流れが他のサーフィン団体にも波及していってもらいたいです。
また、グリーンにマーキングした国は、今回がWSG初参加。具体的にはこの3カ国です。
- ハンガリー
- イラン
- フィリピン
フィリピンはもちろん、中東のイランもサーフィンできますけど、思いっきり内陸の中央ヨーロッパのハンガリーが参加とは! 国籍だけで実はサーフィンのメッカ在住と思いきや、ゲルゲイ・バルゴ選手は首都のブダペストにお住まいだそう。好きなポイントはポルトガルで、カイトサーフィンやスノーボードなどもやるマルチプレイヤー。どんな人なのかインスタをチェックしてみると・・・
すんごい身体してますね! いったいどんなサーフィンをするのでしょうか・・・。
■波乗りジャパンの対戦相手。注目の選手は?
ところで、表のピンクのマーキングは何かと言いますと、波乗りジャパンの対戦相手で『サーフクラブ』的に注目選手です。大きく分けてCT選手、WSG好成績保持者、波乗りジャパン以外の日本出自、出場国変更選手です。
【CT選手】
- イアン・ゴーベイア(ブラジル / 現役CT)
- サリー・フィッツギボンズ(オーストラリア / 現役CT)
- ペイジ・ハレブ(ニュージーランド / 現役CT)
- ビアンカ・ビテンダッグ(南アフリカ / 現役CT)
- ポーリン・アド(フランス / 元CT)
- クレア・ビバレッキア(イタリア / 元CT)
- ソフィア・ムラノビッチ(ペルー / 元CT)
現役・元を合わせてCT参戦歴のあるサーファーは8人(漏れてたらスミマセン)。カノア以外の男子がゴーベイアの1人だけなのに対し、女子はベテランを含めて6人。世界最高峰のツアーを選手が、身近な日本のビーチブレイクでどんなサーフィンを見せるのか注目です。以前パーコことジョエル・パーキンソンにインタビューしたとき、ビーチブレイクの気まぐれなコンディションの4人ヒートだと、CT選手でも負ける可能性が少なくないって言ってました。カノアはスモールなハンティントンビーチでのUSオープンでも圧倒的だったし、自然と期待しちゃいますよね。
【WSG好成績保持者】
- ジョニー・コルゾ(2017年優勝 / メキシコ代表)
- ポーリン・アド(2017年優勝 / フランス代表)
- サンチアゴ・ムニーツ(2011年優勝 / アルゼンチン代表)
- レアンドロ・ウスナ(2014年、2016年優勝 / アルゼンチン代表)
- アナリ・ゴメス(2014年チャンピオン / ペルー代表)
- サマー・マセド(2015年世界ジュニア優勝 / アメリカ代表)
昨年はフランス・ビアリッツで開催されたものの、それまではパナマやペルー、ニカラグア、コスタリカといった中南米での試合が続いていたWSG。相関してるとは言い切れないけど、自国や近隣国の選手が優勝するケースが多いです。昨年のビアリッツも、フランスのポーリンが優勝してるし、昨年の宮崎・日向での世界ジュニアも波乗りジャパンが大活躍でした。となると・・・ハイ! そういうことです。Get Golds Japan!
【日本出自の選手(波乗りジャパン以外)】
- 和井田理央(父:バリ / 母:日本。バリ在住)
- リク・ヨアキム・ヘドマン(父:スウェーデン / 母:日本。宮崎在住)
- 渡辺太郎(両親とも日本。カリフォルニア在住)
日本チーム以外にも日本を出自とするサーファーが他国の代表として3人が参戦。1人は昨年のWSLアジア・リージョナルのQSチャンピオンで、今年の南ア・バリートでのビラボン・プロジュニアで優勝した和井田理央。埼玉出身の理央はお父さんがバリニーズ。JPSAのクラマス戦でも活躍してるから、ご存知の方も多いはず。インドネシア代表として頑張ってます。
リク・ヨキアム・ヘドマンはお父さんがスウェーデン人の日本人ハーフ。身長182cmで、ヘタしたら九頭身あるんじゃないかと思うほどのイケメン。モデルとしても活躍してるようです。宮崎在住のリクは、スウェーデン代表での出場です。
両親2人とも日本人の渡辺太郎はカリフォルニアのセレブリティ・サーフビーチ、マリブ在住。去年の世界ジュニア・U16で銀メダルを獲ったから、記憶にある人も多いかと。極真空手の黒帯保持者という一面を持つ太郎はアメリカ代表として戦います。
【出場国を変えた選手】
- クレア・ビバレッキア(オーストラリア⇒イタリア)
- コーディ・ヤング(アメリカ⇒カナダ)
- ペイジ・アルムス(アメリカ⇒カナダ)
- フランセスカ・ハラー(アメリカ⇒ドイツ)
- ジェイ・クイン(ニュージーランド⇒イギリス)
出場者リストを見ていて結構気になったのが、サーフィン強豪国で活躍していた選手が他国代表として出場しているケース。ビッグウェイブをキレッキレに攻めてたオーストラリアのビバレッキアは、お父さんの国籍であるイタリア代表として参戦。ビッグウェイブ・ワールドツアーを2連覇してるアルムス、昨年のUSオープンのプロジュニアで優勝したヤングはカナダチームの一員になってます。
オリンピックの1カ国あたりの出場枠は最大で男子3人+女子3人の計6人。オーストラリアやアメリカなどの強豪国は当然CT選手が多く占めるわけで、ハーフなど別の国から出られる人はスイッチしてきてるのが顕著。大坂なおみじゃないけど、もし2020年に金メダルを獲ったら、それこそ国民的ヒーローになるのかも。彼らの中からどれだけ東京オリンピックに出るのかもチェックです。
あと、表には網羅していませんが、国によってはオフィシャル・サポーターとして監督やコーチ、キャプテンなどを配しています。懐かしい名前がいくつかあったので、知ってる範囲で追記。
【オフィシャルサポーター】
- 大野修聖(日本)
- ビード・ダービッジ(オーストラリア)
- ジム・ホーガン(コスタリカ)
- デデ・スリャナ(インドネシア)
- グレッグ・エムズリー(南アフリカ)
- ジョイ・ブラン(アメリカ)
ジョイ・ブランにジム・ホーガン(笑)。筆者を含め、おっさん世代に彼らがバックスタッフであることをお知らせしときます。ちなみに中国チームのコーチ、PTことピーター・タウンネンドの名前はありませんでした。
強豪国から新興国までを相手に、大いに期待したい波乗りジャパンの選手たち。
【日本チーム】
途中でも書きましたけど、開催国のチームが好成績を残す確率は極めて高いです。それは、やっぱりホームのファンの応援が熱いから。現地に行ける人は日の丸振って声枯らすまで、行けない人はSNSなどで全力で応援していきましょう。
頑張れニッポン!
ISAによるライブ映像はこちら。