しばらくはCT不参戦。復帰には時間がかかりそう。
Text: Junji Uchida
クラマスで開催されたCTのバリ戦のフリーサーフィン中に負傷したジョンジョン・フローレンス。その後の試合をスキップし、療養生活を送っていたジョンジョンがインスタを更新。
この数週間のあいだに、ケガの治療に力添えしてくれた人や、ポジティブなメッセージを送ってくれたみんなに感謝したい。そして、多くのすばらしい人がいる人生であることにもありがたく思っている。ぼくは、できるだけ早く復帰できるよう集中してきたのと、いくつかの新しい興味を探ることに夢中になっていたこともあって、このところシェアする時間がなかったんだ。
ヒザの診断は、前十字靭帯(ACL)損傷というもので、しかも重度の高いものだ。サーフィンができないなんて馬鹿な話だけど、療養中に友達や家族と新しい冒険をするチャンスを得られることにワクワクしている。いつコンテストに復帰できるのかは、はっきりしてないんだ。60日なのか、120日なのか。それより短いのか、長いのか。でも、戻ってきたときには、ヒザの不安を考えずに、高速でビッグなサーフィンができるようになっていたい。
それが、ジャージーを再び着る前のテストになると思う。
スポーツ復帰には要手術。目標は8ヶ月でのゲーム復帰。
前十字靭帯損傷とは、どんなケガなのか。スポーツ整形外科のある関東労災病院のウェブサイトで、第1スポーツ整形外科部長の今屋 健氏・藤島理恵子氏はこう説明している。
膝前十字靱帯(ひざぜんじゅうじじんたい:ACL)とは膝関節の中にある靱帯で、運動するときなどに膝を安定させる役目をしています。膝前十字靱帯損傷は、膝の外側からタックルされたとき、ステップを切ったとき、ジャンプして着地したときなどに膝がガクッと外れたとき起こることが多いです。また、ケガした瞬間に「ゴリッ」や「ポキッ」などの音を伴うこともあります。その後、数分間は痛みのため動けないことがあり、時間とともに膝が腫れてきて膝の曲げ伸ばしができにくくなります。
通常、この症状は2~4週間ほどでで改善し、日常生活などは普通にできるようになります。しかし、スポーツ復帰したときに、再度膝がガクッと外れるようになります。膝前十字靱帯を損傷したままで運動や生活を続けていると、半月板や軟骨といった膝のクッションの役割をする正常な組織が傷ついてきます。膝前十字靱帯損傷からの時間が長ければ長いほど、膝が痛くなる、腫れる、引っかかるなどの症状が出やすくなります。
膝前十字靱帯が切れたままでスポーツを続けていくと、その後繰り返し膝をひねってしまうことが多いです。この症状を膝崩れ現象といい、その都度、正常な他の組織、例えば半月板や関節軟骨などが損傷されていく場合があります。この症状は筋力を回復させても改善されないことが多く、元のスポーツレベルへ復帰するためには手術を選択する選手が多いようです。スポーツをしない日常生活だけ行えれば良いという人もなかにはいらっしゃるので、そのような人は必ずしも手術をしなければならないということはありません。
選手として復帰するには手術の必要がありそうだ。その場合、術後8ヶ月でのゲーム復帰を目指すとも記されている。
膝前十字靭帯の損傷を治し、スポーツに復帰するためには手術が必要です。手術は損傷した靭帯を縫合するのではなく、靭帯の代わりとなる腱を他の部位(太ももの裏にある半腱様筋腱など)から採取し、靭帯を作り直す靭帯再建術を行います。
入院はおよそ10日程度ですが、松葉杖なしで歩いて帰れます。リハビリの目安として、ジョギングの開始は手術から約10週後。種目特性の練習ができるようになるのは6か月後。8か月でゲーム復帰を目標にします。
復帰には時間が必要ですが現在はどの年齢、スポーツレベルにかかわらず安定した手術成績を得ているので、「膝崩れ」を起こしながスポーツをすることがないよう手術を受けることをお勧めします。
2年連続でワールドタイトルを獲得したスーパースターはまだ25歳。これからの時代を長く牽引していくためにも、しっかり治して、再び高速でビッグなサーフィンで興奮させてほしい。