【WSL】ミニミニ動画:ハイスコアTOP3@ブラジル戦(R4終了時)

フィリッペのパーフェクト10が余裕過ぎて、驚きもしないレベル!

次代のパフォーマンスに沸く〈オイ・リオ・プロ〉。第4ラウンド終了時点の男子ハイスコアTOP3。

もはや驚きすらしない安定感のあるフィリッペのエアー。ステファニー・ギルモアも優勝者インタビューで、フィリッペのようなサーフィンがしたいと言っていました(筆者的にはステフのサーフィンもかなり好きですが)Photo: WSL / Poullenot

Text: Junji Uchida

 

リオ・デ・ジャイネロから100kmほど東のサクアレマに移動してから2度目の開催になるCTツアー・ブラジル戦〈オイ・リオ・プロ〉。とはいえサクアレマは、ブラジルのサーフカルチャーを牽引してきたサーフィンの首都。そういう意味では移動してきたというより、戻ってきたというほうが正解かもしれません。

男子の第1ラウンド時点では、観戦ならいいけど絶対に入りたくないって感じのヘビーなビーチブレイク。が、徐々に落ち着いてきて、トップサーファーであれば難易度の高いパフォーマンスを披露できる舞台に様変わり。湾の右側に位置するレギュラー:バヒーニャと、左側にあるグーフィー:イタウナで、結構ハイエンドなマニューバーが出ています。

というわけで、第4ラウンドが終わった時点でのハイスコアTOP3を見ていきます。

 

第3位:ジョンジョン・フローレンス 9.80pt

コメンテーターのクリス・コーテも思わず“ミラクル・ワーカー(奇跡を起こす人)”と声を荒げた、ジョンジョンが第3ラウンドで見せたフロントサイド・エアー・リバース。まったく引っかかることのないスムースな540°はどこまでもアーティ。ジャッジ・クライテリアに“コミットメント”や“バラエティ”同様、“スタイル”があったなら、必ずや評点されるであろうThe Art of Modern Surfing。

 

第2位:イアン・ゴーベイア 9.93pt

コメンテーターのピーター・メルが、“クレイジー!”、“クレイジー!”と2度繰り返した、イアン・ゴーベイアの第3ラウンドのバレルライドtoフリーフォール・フローター。迫り来るホワイトウォーターに臆することなく当てていくと、その衝撃でサーフボードが超バウンス。が、見事にランディングを成功させて、ほぼ満点の9.93をスコアした。

 

第1位:フィリッペ・トレド 10pt

出ました、パーフェクト10!。クリス・コーテが“Massive(巨大)!”、マーティン・ポッターが“ハッハハ!”と大笑いした、フィリッペ・トレドの第4ラウンドのバックサイド540°。ハイラインをフルスロットルで駆け抜けてパワーをためて、高さより距離を求めて前方にローンチ。完全にコントロールし切ったまま着地してみせると大観衆に敬意を表する、余裕しゃくしゃくの一礼パフォーマンスで魅了。

このところのウェイブプール動画に食傷気味だったからか、やっぱりプロサーファーには自然がつくる豪快かつ予測不能の波で感動させてもらいたいと思った次第です。

ちなみに日本代表のカノア五十嵐は、残念ながら第4ラウンドで敗退。ウイメンズはステファニー・ギルモアが今季2勝目をマーク。また、動画のフィリップ・トレド、イアン・ゴーベイアもさることながら、ツアールーキーのマイケル・ロドリゲスやヤゴ・ドラなどがクオーターファイナルに進出するなど、ブラジリアンストームが猛進中。平日だというのにどういうわけか大観衆が、吼えるような歓声を上げる特殊なステージはこのあと、いよいよクライマックスを迎えます。