CT第3戦 マーガレットリバー・プロ#1。
Text: Junji Uchida
2日間のウェイティング期間の後に開催された2018年のCTツアー第3戦マーガレットリバー・プロ。オフィシャル波情報の『サーフライン』は、13日の金曜日にスウェルが届くと発表していた。が、朝8時の段階でWSL理事のキーレン・ペロウが8:45にスタートするか否かを判断するとアナウンス。以後、次は10:00に、次は11:00に、次は12:00に……とリフレイン。もうやらないのかと思いきや、バックアップ会場のノースポイントがパンプし大変なことに!
MAXで8ft+レンジのストレートバレル、さらに一度ダブルアップして再び巻き上げてくる壮絶なコンディション。下記のジャック・ロビンソンのコメントにもあるが、ローカルヒーローのジャックいわく、10点満点だとしたら8点と、かなりの好条件だ。とはいってもこれは、レギュラーフッターにとっての話。際どいチューブライドの技術を争う戦いはバックハンダーに不利となり、グーフィーフッターで1位通過したのはガブリエル・メディナのみ。リップカールプロ・ベルズビーチでは、クリティカルポケットへの際どいアプローチに重きを置く審査基準だったためバックハンダーのほうが、身体が陸側に向いている分、トップで返しやすく有利だった。しかし、今回はフォアハンダーに分がある。グーフィーフッターの合計点の平均値が6.15ポイントということからも、その難易度がわかるだろう。
マーガレットリバー・プロの審査基準=ジャッジ・クライテリアは以下を重視している。
◉バレル
◉主要なマニューバーのコンビネーション
◉先鋭的または革命的な単一マニューバー
最終セクションにエアーなどの見せ場が作りやすい最高のランプ(波のコブ)があるとはいえ、際どいチューブライドの技術力争いが柱。ややバンピーながら高速に巻き上げてくる肉厚バレルを、完璧なボードコントロールでスリリングに抜けてくる滑走劇は鳥肌モノだ。
そこで、Day1で演じられたパフォーマンスを、ヒート後のコメントとともに紹介しよう。ちなみに、ボタンアイコンの下の数字は尺の長さ。サクッと見れる動画なのでぜひご覧ください。
もう波が炸裂しているから、とにかく自分のやれることをやるっていうのがいちばん簡単。
ただ、いい波はくるんだけど、どこで待てばいいのか、それを見つけるのが難しい。ラウンド1を勝つことによって、リズムがつかめてくる。次のラウンドがノースポイント、マーガレットリバー・メインブレイク、ザ・ボックスのどこになろうと構わない。この3つのポイントはメッチャ面白いから、ぼくたちはどこでやろうとストークするんだ。
–ジョンジョン・フローレンス
超トリッキーで、いい波を見つけるのがとにかく難しい。長めのやつを見つけてバレルをメイクできたのはラッキーだった。エアーできる場所がたくさんあるから、ビッグなやつにトライしたよ。ただ、ランディングに成功してもスコアは付かなかったね。
西オーストラリアでウォーミングアップをしていたんだ。まわりにはいつも面白い波がある。カエル・ウォルシュがデカいやつに突っ込んで、みんな触発されたと思う。
–ガブリエル・メディナ
ハチャメチャな24時間だったんだ。電話をもらったときはパースにいて、波が炸裂しそうだから地元のマーガレットリバーに戻ったほうがいいって思った。正直、予期してなかったけど、結構デカかった。
ノースポイントは地元の波のひとつだから全然心配していない。ここでサーフィンするときは、ただ沖に向かって、できることをやり尽くすだけ。1日中、波が上がるのを見ているのもクールだし。
今日のいい波は、10点満点の8点くらい。すごくいい波だし、コンテストにとってもいいよね。
–ジャック・ロビンソン
いま波が、すごくパンピングしてるよ。最後の1時間でスイッチが入った感じ。待って正解だったと思う。
ラウンド1で勝つことは、ラウンド2で戦うのが嫌いなぼくにとってはとても重要。スキップできることはボーナスだ。バレルを手にすることは戦略がうまく機能しているということ。重要だよね。
–ジョーディ・スミス
ヒート開始直後の波が良かったよ。求めていた波をつかめて、期待通りの開始ができた。まるでサイコロを転がすようだけど、いい波を探すことは価値がある。
ぼくはベルズはシャーキーだとは思わないな。そういう機会に遭遇したこともないし。
サーフィンが調子よかったから、全部がいいって感じ。いい年になりそうな気がする。消極的にならないよう、肩を張っていくよ。ここは世界でも好きな場所のひとつ。長い時間を過ごしてきたところだし、波を求めていろんなスポットを移動するのもとっても心地良い。とくに今日のように、長時間待つようなときにはいい場所だよ。
–ジュリアン・ウィルソン
【おまけ】ワイプアウト x 2本。
ガブリエルがコメントしているローカルタレントのカエルと、コナー・コフィンの、“これぞまさに”のフリーフォールもぜひ。