【ウェイブプール】PerfectSwell:テイラー・ノックスとタイラー・ウォーレンの感想は?

 


Text: Marcus Sanders

ベルジーランドや小さいときのクラマスっぽい感じで割れる、ややゴリっとした波。それらを簡単な波質にして混ぜ合わせた、より創造的にした印象だね。

–テイラー・ノックス

 

オレ的に気に入ったのは、じゃぶじゃぶしたプールが静かになったところで、1本の波にすべてのパワーを込めた一発。パーフェクトだよ。美しくめくれてくる、最高にクリーンな波。夢の波だね

–タイラー・ウォーレン

ケリー・スレーターのファウンダーズカップが開催された土曜日、テキサス州ウェーコで、サーフランチより粗挽きで堅牢な波が割れるウェイブプール〈BSR SURF RESORT〉がお披露目された。ハイライト? セス・モニーツが8度目の挑戦で成功したバックフリップでしょ。そのクリップが月曜日にインターネット上に乗っかると、あっという間に拡散されていった(「タイミングと着地が分かるまでにちょっと時間がかかったよ」とセス。「やわらかいセクションであることを期待したんだけど、そうじゃなかった。8回目に着地に成功する7回目までにボードを折っちゃってるし」)。セスのクリップが投稿されたあと、我々はこのパークのアンバサダーを務めるシェイン・マグナッソンを捕まえた。

そして今、ニュージャージー州のフィルマー、ライアン・シマルチクがテイラー・ノックス、セス・モニーツ、ロブ・ケリー、サマンサ・シブリー、クルーズ・ディノファ、タイラー・ウォーレン、そしてシェイン・マグナッソンらの3日間をセッションをまとめたフルムービーが投下された。印象的なのは、それが明らかに拡散したセスのエアーのような、一発波ではないこと。

「ケリーのウェイブプールより良いとは言わない。だけど、これはこれで良いところがある」とテイラー・ノックス。テイラーは両方の波に乗った唯一の存在だ。「ベルジーランドや小さいときのクラマスっぽい感じで割れる、ややゴリっとした波。それらを簡単な波質にして混ぜ合わせた、より創造的にした印象だね」

「りんごとオレンジの比較だよ」とテイラーは続ける。「週末にサーフィンしに戻るだろうね。でも、ぼくはエアーをしに戻ろうと思っているよ(笑)」。

が、皮肉にもテイラーは〈Wave Garden〉の造波システムを採用しているもうひとつのテキサスにあるウェイブプール〈N-Land〉に戻ることになった。テイラーは退役軍人をサーフィン体験させるNPOボランティア〈One More Wave〉とともに、SEAL(海軍特殊部隊)の軍人訓練局を援助するためにテキサスにいたのだ。それを知ったシェインがテイラーに電話をかけ、テイラーは数人のSEALメンバーを連れてBSRプールで月曜中を過ごした。

「彼らはまったく怖がってなかった」とテイラーは笑った。「初心者だったけど、何本も波に乗ってたよ」

BSRが採用した造波システム〈PerfectSwell〉を開発した〈American Wave Machine〉のウィリー・ファーランはショックでさえあった。「我々がモデリングしていたものに匹敵する。というより、正直驚いている。たとえば、我々はパワフルでピーキーな波は知っていたけど、ゴリッとしたバレルは予想以上にジューシーだった。また、実験されていたいくつかの波のパターンには、我々がシミュレートしていないものもあり、それが期待以上だった。クレメント・ジネステットが開発した曲線も幾分予想外で、エンジニアは最高のハイパフォーマンスウェイブを創造していた。

セス・モニーツは感動していた。「ぼくはサーフィンのレベルが、とくにガールズの技術がグンと上がると思う」とセス。「16歳のサマンサ・シブリーを観ていたんだけど、彼女はグラブレール・フローターから滞空時間のあるエアーまで、たった2日でできるようになった。その事実がすべてを示しているよね。サーファーが海への情熱を失わないことを望んでいるけど、新しいウェイブプールはほんとうに優れたトレーニングツールになりうる」

タイラー・ウォーレンはビラボンライダーのロブ・ケリーに誘われ、月曜に到着した。「ここはワイルドだね。テキサス州の、何もない地帯の真ん中にあるんだから。ランダムな道を走破し、開けた大地を駆け抜け、行き着いたところにウォーターパークがある。ウェイクボード用のケーブルパーク、巨大なウォータースライダー、のんびりムードのレイジーリバー。そこですべての人が、ビールを飲みながら楽しい体験をしているんだ。まず波については、全然気にしていないようだった」

波に関してはどうなのか? 「オレたちはモルモットのようだったよ」とウォーレン。「異なる加圧室から空気が出てきて、いろんな構造の波にトライした。割れる時間や速度を変えて、いいやつは保存することができる。見たところでは、少なくとも4つのメインセッティングがあった:まずは立て続けにめくれてくる3本の波。1本目は小さめで、2本目がベスト。3本目は多少小さいけど、まだ激しいサーフィンが可能。そしてセスが乗っていた、前方からブレイクセクションが向かってくるエアー用の波。また、バックドア側からウェッジバレルに入れるパターンもある。オレ的に気に入ったのは、じゃぶじゃぶしたプールが静かになるのを待って、1本の波にすべてのパワーを込めた渾身の一発。パーフェクトだよ。美しくめくれてくる、最高にクリーンな波。夢の波だね」

未来の波なのか? 「海が炸裂しているときは、それに叶うものはない」とテイラー。「1年中、冬を待っているような、ぼくみたいなサーファーには代替策としてアリだと思う。人生で最悪の冬に直面して波に飢えているときに、この波に40本も乗れたら最高だよね」

 

【おまけ動画】若干8歳のトラベルクルー、クルーズ・ディノファ。

フルムービーに出てくるリモコンのサーフィン・トイのようなキッズ、クルーズ・ディノファ君。ニュージャージー出身の8歳で、インスタをみる限り、グリフィン・コラピントやケリー・スレーター、ガブリエル・メディナにも可愛がられているっぽいし、未来を担う金の卵になりそう。ガチで大人も叶わないBSRでのクリップと、ビラボンからのスポンサーの件についてコラピント聞いたときのストークっぷりが最高なので貼っておきます。